創業新聞
2009/11/30朝日新聞の「在日華人」に弊社の陳建が紹介されました
来源:日本新华侨报  发布时间:2009/12/19 0:46:512012-10-24

 

■ 日本企業の主力に着々

日本に住む外国人215万人のうち、中国?台湾人は61万人を数え、韓国?朝鮮人の59万人を抜いて最大勢力になった(07年末、在留外国人統計)。日本国籍を持つ人らを含めれば70万人を超える。このシリーズでは、こうした人々を「在日華人」としてとりあげる。コンビニエンスストア大手、ローソンの入社半年の社員研修が10月、東京であった。中部国際空港店で働く中国大連出身の王妍(ワンイエン)さん(26)が、歯切れのいい日本語で売り場の課題を指摘した。

「店が込む時間帯、レジ前の棚は行列をつくるお客さんの陰になり、売れる機会を失っている」。隣に座る同期の三代大地さんは「向上心というか、成功しようという熱意が違う」と舌を巻いた。

ローソンに今年入社した総合職120人のうち、外国人留学生が39人を占めた。このうち28人が中国、3人が台湾出身だ。新浪剛史社長は「将来は社員の20~30%を外国人にしたい」と話す。

8月末に東京で開かれたアジア出身者向けの合同就職説明会。39社が出したブースに、スーツ姿の人々が詰めかけた。

焼き肉チェーンなどをもつエーチーム(東京)は黒須優?取締役が学生に会った。新卒採用の最終面接に残った5人がいずれも女性で、「上を目指してやるという男子学生が見あたらなかった」ため、意欲的な男子留学生を求めて急きょここへ来た。中国人男性2人に内定を出した。

留学生の増加を背景に、日本企業に就職する外国人が増えている。留学ビザを就労ビザに切り替える学生は2007年に1万人を超え、08年は1万1千人。中国人が約8千人を占める。日本経団連が昨年、会員企業に実施した調査(回答107社)では、外国人を雇用しているのは91社で、うち総合職採用が63社に上った。その中から、企業を引っ張る人材が育つ。

ローソンが外国人を大量に採用するのは、もともとは店舗で増えた外国人アルバイトとの意思疎通を図るためだった。それが今、企業活力の源泉の一つになりつつある。新浪剛史社長は「将来の海外事業の拡大に向け、日本人社員の閉鎖的な発想をなくしたい。様々な考えや背景の社員がいること自体が財産になる」と説明する。

中国ビジネスの拡大の中で、日本人には難しい役割を担う華人も増えている。 伊藤忠商事食料中国室の董莉(トンリー)室長(42)の携帯電話には、台湾アクセントの中国語を話す若者から連絡が入る。「姉さん、家賃の振り込み方を教えて」「電球が切れたけど、どうしたらいい?」

相手は台湾企業「頂新グループ」のオーナー一族の子供たちだ。来日中の2人を含め、01年からこれまで、11人が日本に留学した。大学の紹介、アパート探し、生活の世話まで、食料中国室を挙げてサポートする。

「頂新グループ」は「康師傅(カンシーフー)」ブランドで知られる、中国市場で最大の食品メーカーだ。伊藤忠が今年、約690億円を出資し全面提携した。

00年、中国での食品事業の提携先を探していた董さんに、オーナー一族の一人が漏らした。「息子に日本語を勉強させたいと思っている」。董さんはすぐに上司に伝え、留学の地ならしをした。

日本では少子化が進み、需要に限界が見えていた。食品メーカーにとって中国市場に分け入るのが至上命題となった。だが、課題は販路の確保だ。小売店や流通業者、地元政府と関係をつくるのは一朝一夕にはできない。

「地元の一流企業と組む必要がある」「頂新は全面提携をする価値がある企業だ」。董さんは報告書をまとめた。「頂新」のブランド力と流通販売網は中国全土を覆う。幹部が中国に飛んでトップセールスし、信頼を勝ち取った。

「外国人に入れない現地の人の輪に入り込み、経営判断にかかわる核心情報をとる」。それが北京出身の自分の役割だと董さんは思う。

伊藤忠は昨年、穀物など食品原料の安定的な調達先の確保を見据え、中国最大の食糧貿易会社「中糧集団」とも提携。頂新の販売網と合わせ、13億人市場に日本の食品企業の足場をつくった。

以前は外国人の本社採用が1、2人ほどだったが、昨年度は5人、今年度は11人採った。鶴島孝保?食料中国事業推進部長は「董たちの働きが一つのモデルになったと言えるだろう」と語る。

董さんには国内外の企業から引き抜きの誘いもあったが、応じなかった。「会社が私を信頼してくれたからです」

■現地知り尽くす強み

「読者に何を伝えるのか、もっと明確にして」。空調メーカー大手、ダイキン工業が中国で発行する顧客向け情報誌の編集会議。上海にあるダイキン現地法人の副総経理(副社長)を務める陳英偉(チェンインウェイ)さん(47)が、若いスタッフたちに指示を飛ばした。

若手建築士の作品や日本の美食など、幅広い話題をカラー80ページ余りで伝える。年4回、毎号5万5千部の送り先は得意客だけではない。マンションや高級車を買う富裕層のデータを入手し、そこに送付することで、新規の客の掘り起こしを狙う。

95年に中国進出したダイキンは、高級メーカーとしてのイメージづくりに力を注いだ。「他社との違いを生むのは商品だけじゃない」。陳さんは、100人近い技術者がひざ詰めで客の相談にのるショールームの立ち上げなど、ブランド戦略を担ってきた。

大阪大学大学院に留学し、89年にダイキン入社。現地法人の立ち上げから加わり、幹部に上り詰めた。

今、ダイキンが中国で挑むのが、展示場など大空間向けの空調市場進出だ。先行する米企業が日本企業を阻もうと、規制や業界内基準を巡り、当局相手にロビー活動を始めているという。

監督官庁や、政策決定に影響力を持つ学者にいかに日本の技術力をアピールするか。陳さんは「政治家は細かな技術論に関心を示さない。二酸化炭素の削減効果など、国家戦略にかかわる大きな視野で説得する必要がある」。

相手の懐に飛び込み、話を聴いてもらえる信頼関係づくりが欠かせない。「日本人が立ち入れない世界」(光安俊二事業企画室長)での戦いが始まっている。

■欧米?母国志向、細る人材

外国人社員の役割が高まる中、それに応える人材をどう見いだすかも大きな課題だ。

10月末、パナソニックグループが東京と大阪で開いた外国人向け就職セミナー。今年3回目の開催で、書類選考を通った約80人が来た。最多は中国人留学生。毎回、参加者の7~8割を占める。

求めるのは、海外のグループ企業の幹部候補だ。だが、就職説明会に出席したグループ中核企業の採用担当幹部は「本当に光る人材を見つけ出すのは年々難しくなっている」と明かす。昨年、内定を出したのは欧州などからの2人だけ。中国人留学生はいなかった。毎年100人前後の中国人留学生と面接するが、「日本で何を身につけたのか。目的がよく分からない人が増えた」と感じる。

留学生が目立ち始めた80年代から90年代初めと比べ、中国から日本への留学は経済的にも政治的にも容易になった。一方で、日本の多くの大学は定員割れになり、留学生を厳しく選ぶ余裕がない。

東京工業大学留学生センターの広瀬幸夫教授は「特に優秀な学生は欧米に流れると聞く。大学と企業が連携し、学生が日本でキャリアを積めば良い人生をおくれるという展望を持てるようにする必要がある」と話す。

中国の経済発展で、華人社員や留学生の中には、帰国を考える人も増えてきた。

「高校時代に自分より成績の悪かった同級生が、高級外車を乗り回していた」。福建省から留学したコンサルタント会社経営の陳建(チェンチエン)さん(32)は、里帰りのたびに打ちのめされる思いだ。かつて自分の留学をうらやんだ同級生たちが「中国に残れば、おれたちより稼げたのに」と哀れみに似た目を向ける。帰国か、残るか。「子供のことを考えると、間違いのない選択をしなければ」

外国人を幹部候補としてじっくり育てたい企業と、日本企業での経験を武器に将来の帰国を考える留学生との思惑のずれをどう解消するか。日本経団連の川口晶?産業政策本部副本部長は「総合職でも長期雇用を前提としない人事制度を模索する企業が増えているが、理想型は見つかっていない。日本企業が抱える新たな悩みだ」と話す。(林望)

http://www.asahi.com/special/kajin/TKY200911300109.html

 
   
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